そのあからさまな姿勢、いいね!【Shutter Island(シャッター アイランド)】
こんにちは、よいちです!
突然ですが、みなさんはロボトミー手術というものをご存知ですか?ロボトミー手術とは、かつて精神疾患の画期的な治療法として1949年にはノーベル賞が与えられた人間の前頭葉の一部を切除する手術のことなのですが、その予測不能な副作用などから現代では使われていません。
今回はそんなロボトミー手術が鍵となってくる映画
【Shutter Island(シャッターアイランド)】
を紹介します。
ーあらすじー
絶海の孤島にある精神疾患を患った犯罪者を収監し療養を目的とする施設である日、収監されている女性の一人が忽然と姿を消す事件が発生する。警官のテッドは、この事件の捜査のため、別部署から派遣されたチャックと共にこの島、通称シャッターアイランドに乗り込む。捜査を始める二人だが、施設の違和感と、職員達の隠している真実に徐々に気付き始めるのであった。
ー感想ー(※ネタバレ注意!)
この作品は所謂どんでん返し系と言われる映画なのですが、正直どんでん返しの要素自体にはそこまで驚きはありませんでした。どちらかと言うと、どんでん返すまでの過程とその後の結末が個人的に好きでした!
というのも、精神病やトラウマというものが出てくる時点で、主人公の主観を通して観る景色が現実かどうかってかなり怪しいんですよね。だからこの映画においても、割りと序盤から主人公が幻覚を観ていることがわかる。オチもある程度は読めていました。
ただ、この映画はそれを敢えて仄めかしているようにも思えます。そしてオチまでの持っていき方がとても良い!オチがわかっているからこそ、何が現実で何が幻なのかを考える面白さだったり、役者さんの演技に目を向けられる。テッドの相棒を演じつつ、終始彼を案じている医師としてのマーク・ラファロの二重の演技とか凄いですよね。そして、やっぱりデカプリオの狂った演技は最高だ!この映画と同じマーティン・スコセッシ監督のウルフ・オブ・ウォールストリートでのクスリに依存した姿や、インセプションでの過去の記憶に苛まれる演技など、どこかネジが飛んでる役柄を演じるのに彼ほどの適役はいないと思います!
そして、物語の結末。トラウマを乗り越えるものの、良き人間として死のうとロボトミー手術を受ける決断をするテッドの後ろ姿はなんとも言えない哀しさがありました。
単純などんでん返しではない、別のところを楽しめる良さがこの映画にはあったと思います。