コロナで半年を家で過ごす留年生の映画日記

コロナのお陰で大学生活5年目の半分を自宅で過ごすことになったので、持て余した時間で観た映画の感想とか色々を少ない語彙力で語ります。。。

ピンチも多過ぎるとフリになってくる【ARMAGEDDON】

こんにちは、よいちです!皆さん如何お過ごしでしょうか。

どうやら近々地震が起こると予言がされているみたいで、世間(?)は騒いでいるようですね。私はあまりそういった話は信じないようにしていますが、どうしてもそわそわしてしまいますね。まあ、南海トラフやら、首都直下地震やら、いつ来てもおかしくないとは言われているので、皆さまも防災対策だけはしっかりしておきましょうね!

ということで、今回は予言繋がりでこの映画を紹介します。

 

【ARMAGEDDON】(邦題:アルマゲドン)

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こちらは1998年の作品。1999年7月に大隕石が宇宙から飛来して人類は滅びるのではないか、と世間が騒いでいたノストラダムスの大予言に着想を得た作品ですね。同じ年に『ディープ・インパクト』という全く同じ設定の映画が上映されていたことを考えると、当時の人にとってこの大予言は本当に大きなことだったんだな、と実感できます。それではあらすじへ参りましょう!

 

ーあらすじー

1998年、突如ニューヨークに幾つもの隕石が降り注ぐ。その原因を探るべく探査を開始したNASAは、超巨大な隕石が地球に近づいていること、そして18日後に地球を直撃予定のそれは全生物を絶滅させるほどのモノであることを知る。この事態を解決するべく、隕石掘った穴に核爆弾を設置し爆発させるミッションを画策する。このミッションを成功させるため、世界一の採掘師ハリーとその個性豊かな仲間たちが集められる。果たして、荒くれものの集団はミッションを成功し、世界を救うことができるのか!?

ー評価ー

感動   :☆☆☆☆

ドキドキ :☆☆☆☆☆

キャラ立ち:☆☆☆

 

アルマゲドン (字幕版)

アルマゲドン (字幕版)

  • 発売日: 2013/11/26
  • メディア: Prime Video
 

 

ー感想ー(※ネタバレ注意!)

私、この映画を観終わった後他の人のレビューを読んでびっくりしました。だってみんな大絶賛してるんですもの。個人的にこの作品はあんま好かんかったので、自分の感覚のズレにちょっとショックでした。

なので今回はちょっと構成を変えて、私個人の見解と大衆の皆さまに好まれそうなポイントに分けてこの感想部分を書いていこうと思います。

 

<アルマゲドンのここがいい!>

多分、この映画が色んな人に好かれるポイントは以下の二つなのかなと感じました。

・キャラの濃さと、エピソード

・迫りくる困難と感動のラスト

この作品の登場人物は大体みんな個性があって、その人物像を理解するためのエピソードがしっかり描かれています。主人公のハリーは世界でも指折りの採掘の腕があり、娘のグレイスを男手一つで育て来た。そんなグレイスの彼氏A.J.やハリーの仲間はキャラ立ちのいい強者ばかりだし、NASAを指揮するトルーマンと彼の間の絆も素敵なものです。やっぱりキャラに魅力があると物語にも深みが出ますよね。

そして、展開も王道だと思います。序盤はテンポよく、キャラが登場する。そんな軽快さとは打って変わり、後半はトラブルに次ぐトラブル。犠牲を出しながらも、なんとか困難を乗り越え、感動のラスト。そしてなんとかミッションをクリアする。

これはもう、この映画を大好きになってしまう。

 

<個人的感想>

 この映画を観ながら私は、台詞回しがいいなと感じていました。冒頭のニューヨークに小隕石が降り注ぐシーンで、モブが「サダム・フセインだ!」と叫ぶシーンがあるのですが、これが個人的に結構ツボで。奇しくも3年後9.11が起こりイラク戦争へと繋がっていくわけですからね。他の台詞も、それぞれのキャラの個性が伝わる台詞が多く、特に「言いたい言葉は5つ」のクダリはかなり推しポイントです。

だからこそ、この良さがかき消されたことがとても残念でした。具体的に気に障った点は以下の3つ。

・ピンチの量と質

・登場人物に関して

・"感動のラスト"

まず、この映画の後半はピンチの場面が沢山訪れます。確かに観客をハラハラさせるには効果的ですが、こう何度もトラブルが起こると次第に「どうせなんとかなるんだろ」という気持ちになってきます。そして、割りとご都合主義というかラッキー要素が多いのがかなり気になりました。

また、先ほどキャラの個性が伝わると称賛しましたが、それが逆に仇になっているんですよね。そもそも登場人物が多いので全員のキャラを深めるために時間が割かれ、なんだか間延びした気分になります。しかも中途半端に登場したキャラは目立った場面もなく「ピンチ」を引き立たせるため犠牲にされる。なんだかアイドルグループに通ずるものを感じました、あなたは誰推し?

そして”感動のラスト”。正直フラグ立てすぎてオチ丸わかりです。これで泣ける人はもっと泣ける映画オススメするよ。

似た設定でも『ディープ・インパクト』はキャラを薄めた分、観終わった後に自身に問う部分があって良かったと個人的に思いました。

 

ryuneneiga.hatenablog.com

 

ー余談ー

冒頭の地震の話に戻りますが、私はこの予言のことを聴いて「もし地震で死んでしまったら何が心残りになるだろうな」なんてことを考えました。なので、明日は「死ぬまでに何をするか」をテーマにした私の好きな映画、『最高の人生の見つけ方』を紹介しようかな。もし、明日が来ればの話だけど。

洋画の邦題は違訳が多め【エビデンスー全滅ー】

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こんにちは、よいちです!皆さん近頃は如何お過ごしでしょうか?私はコロナ鬱にやられ一週間程Youtubeだけを観る地獄の寝たきり生活をしていましたが持ち直しました!いやあ、もっと活気のある生活をせねば、、、

ということで、久しぶりなのもあって今回はライトめな映画を鑑賞しました!

【EVIDENCE】(邦題:エビデンスー全滅ー)

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こちらは約90分と短めのサスペンスホラーとなっております。またPOV(Point of View)という、一人称視点の映像がほとんどとなっているので、酔いやすい方は視聴の際ご注意下さい!それでは早速あらすじへ参りましょう!

 ーあらすじー

砂漠の廃屋で起こった惨殺事件。遺体の損傷は激しく、二人の生存者も一人は意識不明の重体、もう一人はトラウマにより証言は当てにならない。残された手掛かりは現場に残された4つのカメラの映像のみ。警察は一刻も早く犯人を逮捕するため映像の解析に乗り出す。しかし、そこには想像を絶する光景が映されていた!

 

ー評価ー

グロ度  :☆☆☆

ホラー  :☆☆☆

サスペンス:☆

 

エビデンス-全滅-(字幕版)

エビデンス-全滅-(字幕版)

  • 発売日: 2018/11/01
  • メディア: Prime Video
 

 

ー感想ー(※ネタバレ注意!)

この映画は俗にどんでん返し系に区分されるサスペンスホラー作品なのだろうけど、結末にあまり驚かされなかったというのが私の正直な感想。だって、突っ込みどころが多いんだもん!!

構成としては、実際に現場で撮られた映像と実際の操作現場が交互に描写されるというモノ。この構成自体は個人的に好き。映像も、データに破損があるという設定なので所々にノイズが入り、それが観ている人をびっくりさせる。ここはホラーとして割りと斬新だし、推しポイントです。ただ、捜査が無能!動機や証拠もほとんど無しにSWAT突入させちゃうし。他にもあれ?と思ってしまうシーンがしばしば見受けられました。まあ、一部は真犯人や結末に繋がるモノなので多めに見るとしても、どんでん返しというにはおざなりで作りこみが甘いなあというのが私的な感想でした。

 

しかし、その分テンポ感があって終わりまでパパッと観られるのがこの作品の良さ。また、「映像と現実の間に生じる齟齬」や「映像を解釈することで生まれる先入観」を扱った辺りは面白かったと思います。なので、細かいことを気にせず映画を観れる人にはオススメです。

ちなみに、こういう「残された映像を観る」作品のジャンルをファウンド・フッテージって言うらしい。

 

ー余談ー

この映画の邦題『エビデンス-全滅-』なんですけど、全滅してないんですよね(笑)。いや、病院に運び込まれたアイツもそのうち亡くなると考えたら犯人以外全滅なのか、、、?そう考えると、これは壮大は伏線だったのかも、、、

という冗談はさておき、私もビジュアルを探してて知ったんですけど、この作品のキャッチコピーって"Murder is an Art"(殺人は芸術)なんですよね。映画の終盤でもこのキャッチコピーに言及するような台詞があります。映画の展開的にもこの辺りがテーマになってる訳だし、是非邦題には盛り込んで欲しかったなあ。

不良がいいことをするとめっちゃ評価される【カメラを止めるな!】

こんにちは、よいちです!

皆さん、ゴールデンウィークは如何お過ごしでしょうか?私はやることが無くて暇なので映画を観て、ご飯作って、少しゲームとアニメを観て寝る。そんな生活の繰り返しです。本当に堕落した生活を送っています。でも、それがいい(笑)

さて、今回は久しぶりに好みの邦画を観賞したのでそちらを紹介したいと思います。

カメラを止めるな!

 

カメラを止めるな!

カメラを止めるな!

  • 発売日: 2018/10/27
  • メディア: Prime Video
 

 

こちらは、2017年に上映され口コミで瞬く間に話題になった作品ですね。似たような過程で有名になった『パラノーマル・アクティビティ』を彷彿とさせます。こういった映画は低予算での不自由さを逆手に取った作品が多く、映画の新しい楽しみ方みたいなものを見出せて個人的に嫌いじゃないです。この作品もかなり面白かった!ただ、観る前にご注意を!最初の30分が肝です。観ていて苦痛を感じる方もおられると思いますが、そこを乗り越えた後にこの作品の良さが出てくるので、30分耐久頑張って!!映画のキャッチコピーも「最後まで席を立つな。この映画は二度はじまる。」ですしね。

それではあらすじに参りましょう!

 

ーあらすじー

ゾンビ映画の撮影のため、いわく付きの廃墟にやってきた製作陣。しかし、俳優の演技に監督は納得せず撮影は難航する。一度休憩を挟む製作陣は、その廃墟が、「日本軍が人体蘇生の研究の実験場」であったという噂を知る。そんなところへ本物のゾンビが現れて...!?

 

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ー感想ー(※ネタバレ注意!)

この作品、動画配信サービス向きじゃないんじゃね?ってのが観終わって最初に思ったこと。本当に最初の30分が地獄過ぎて(笑)飽き性な人だったら多分最初の10分で鑑賞を諦めると思う。でも、それがこの作品の魅力に繋がっている!

そう、この映画の冒頭のB級ゾンビ映画は壮大(?)な伏線なんですよね。この物語の本当の主人公はB級映画の監督と、それを取り巻く製作陣。映像の裏側をテーマにしたドキュメンタリーチックな作品です。

節々に盛り込まれる映像制作現場への皮肉と、ラストの30分が個人的推しポイント!

嫌なことは事務所NGと言って挨拶もしっかりできないアイドルに、「作品、作品」といちいちうるさい顔だけの俳優(某山○○人を思い浮かべたのは私だけでしょうか、彼は作品に口出す脳も無さそうだけど)。その他諸々問題を抱えた俳優陣。みんなクセが強いんじゃ!!それでも、最後にみんなに好感を持てるのもこの作品の良いところですね。

ラストの30分は、冒頭の映像の舞台裏!もうトラブルに次ぐトラブル。そしてそれが笑いになっている。冒頭がクソ詰まらないからこそ、ここが凄くコメディになっていてグッド。本当に最初のあの謎の30分がこの映画の心臓だったんだなあ。

だからこそのキャッチコピー。「最後まで席を立つな。この映画は二度はじまる。」これは、キャッチコピーというより監督の鑑賞者への懇願だったのかもしれませんね。

 

ー余談ー

ラスト30分の映像に出てくるトラブルは、元々練られていたものとは別に、本当に撮影の際に起こったトラブルもオマージュされているみたいです。冒頭の42カットのクダリ(スタンリー・キューブリックはめっちゃカット重ねることで有名)とか、娘役の方がシャイニングのTシャツを着ていたことにリスペクトを感じて個人的に好きでした。(隙あれば宣伝)

 

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観たらわかる、怖いやつやん!【The Autopsy of Jane Due(ジェーン・ドウの解剖)】

こんにちは、よいちです!

5月になり、暑い日が続いてますね。

今回はそんな日にオススメ、暑さも忘れる正当はホラーの

【The Autopsy of Jane Due(ジェーン・ドウの解剖)】

をご紹介します!

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いや、本当に久しぶりにいいホラー映画を見せてもらったな!というのが率直な感想です。変なことを考えず、集中して純粋な恐怖を感じられた映画でした!ちなみに、「ジェーン・ドウ」とは、本名が不明な女性を指す時に使う名前だそうです。

それでは早速、あらすじに参りましょう。

 

ーあらすじー

バージニア州グランサムのとある一家。明らかに異常な殺人事件の跡を警察が鑑識をする最中、地下から身元、死因不明の女性の遺体が見つかる。ジェーン・ドウと名付けられた遺体は検死官のトミーとそれを手伝う息子のオースティンが住む仕事場に運び込まれる。外傷の全くない遺体に不審を覚える二人。死因を探る為解剖を始める二人だが、次第にその遺体の謎に迫っていく。。。 

ジェーン・ドウの解剖(字幕版)

ジェーン・ドウの解剖(字幕版)

  • 発売日: 2017/10/04
  • メディア: Prime Video
 

ー感想ー(※ネタバレ注意!)

冒頭でも申した通り、「本当にいいホラー映画だった!」というが率直な感想です。

昨今、様々な観点や手法を使ったホラー映画が増えています。一番最近で話題になったのだと、アリ・アスター監督の『ミッド・サマー』なんかは現代の常識からは理解不能な風習を描き、かつ明るい昼間のシーンの多さで、話題になりましたね。(この映画に関してもいつか感想を書いてみたいですね)

この映画は死体解剖という着想は新しいながらも、無駄に頭は使わず恐怖を全身に感じられる点がホラーとして最高でした!

序盤から伝わる「この死体はおかしい!」という空気は導入として◎。そして徐々に置き始める怪奇現象。その後の死体に追いかけられるシーンはホラー映画の王道展開!この映画の舞台は現実世界の死体解剖現場なので、この設定が「死体が歩く」という現象の恐ろしさを再確認させてくれました!序盤の死体を見せるシーンはここでの恐怖を助長するいい伏線でしたね。

また、テーマ性も中々好きでした。個人的にこの映画に感じたのは、生物の死への感情は相対的な価値観であること。これは動物から人間まで表現されてましたね。ネズミはごみ箱に放り込むのに、飼い猫は火葬してあげるところ。そして解剖した死体には特に感情は見せないが彼女の死には全力で悲しむ。ここの対比はとても私好みでした。

また、動物の対比に関してはポン・ジュノ監督の『オクジャ』にも似たものを感じましたね。

 

ryuneneiga.hatenablog.com

敢えて不満を言わせてもらうなら、「セイレムの魔女裁判」の話を取り出す必要あったかな?っていう疑問。まあ、ジェーン・ドウの皮の裏から夥しい数の魔法陣を見つけるシーンはぞわっとしましたけどね。もう一つは、序盤のオースティンとその彼女との「まだ伝えてないの?」みたいな絡みは何だったのか、というところですね。本当に何も伝えずに終わっちゃったよ(苦笑)

 

ー終わりにー

この映画の終わり方は、リングの貞子みたいな「恐怖伝染系」でした。前の被害者がいて、次に新たな犠牲者がでるやつですね。大概こういう映画の被害者は特に何も悪いこともせず、ただ関わっただけという理由で無差別に害を被ります。

皆さんもこれから暑い夏に入り、肝試しなどしたくなるかもしれませんがくれぐれもお気をつけて。次は貴方の番かもしれませんよ?

おっと、誰か来たようd

洋画版「スカッとジャパン」じゃねーか、完成度たけーなオイ【THE SHAWSHANK REDEMPTION(ショーシャンクの空に)】

こんにちは、よいちです!

突然ですが皆さん、好きな俳優さんはいらっしゃいますか?

私はレオナルド・デカプリオ、アーノルド・シュワルツェネッガー、と並びモーガン・フリーマンが大好きです!

(※クソ導入定期)

今回はそんなモーガン・フリーマンの出演する不朽の名作

【THE SHAWSHANK REDEMPTION】(邦題:ショーシャンクの空に)

を紹介します!

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(動画はYOKOKUHEN MANIAさんからお借りしました。)

 

映画好きなら誰もが観たことはあるこちらの作品、遂に私も拝謁が叶いました(≧▽≦)

もう滅茶苦茶に面白くて、面白くて、面白い!(語彙力)

ヒューマンドラマが大好きな私としては本当に何で今まで観なかったんだろう、と後悔しました。これを読んでてまだ観てない人は一回先に観てきてください!(そして、できれば戻ってきて感想も読んでください笑)

それでは、あらすじ紹介行きます!

 

ーあらすじー

浮気した妻とその相手を殺害したとして容疑をかけられる主人公のアンディ。彼は無罪を主張するも、終身刑を言い渡されショーシャンク刑務所に送還されることに。そんな彼を待ち受けていたのは、刑務所での暴力と強姦という名の無慈悲な洗礼であった。

一方、ショーシャンク刑務所にて20年目の勤めを迎えるも、仮釈放を却下されてしまったもう一人の主人公レッド。刑務所に連れられてきたアンディに他とは違う印象を受ける。そんな彼とアンディが仲良くなるのに時間はあまりかからなかった。

レッドやその仲間達との生活に楽しみを見出すようになったアンディ。彼は理不尽な暴力に耐えながらも、元銀行員としての腕を使い看守や刑務所の所長に取り入ることに成功する。そしてアンディとレッドらは刑務所の環境を次第に良くしていくのだった。

そんなある日、刑務所に新たな囚人トミーがやってくる。彼はどうやらアンディの事件の真犯人を知っている様子であった。所長に掛け合うも、突っぱねられ死を仄めかすアンディ。それを切に心配するレッド。

果たして、アンディは冤罪を晴らすことができるのか。そして、二人の友情の結末は如何に。

 

ショーシャンクの空に(字幕版)

ショーシャンクの空に(字幕版)

  • 発売日: 2013/11/26
  • メディア: Prime Video
 

ー感想ー(※ネタバレ注意)

この映画の何が好きかって、ヒューマンドラマとしての感動だけでなく、終盤の展開がどんでん返しっぽいところなんですよね!ラスト30分はほんとに画面に張り付いて観てしまいました。そして映画が終わった後の満足感は他の映画では類を見ないものでした。

というのも、この映画は構成と、伏線の貼り方・回収の仕方が巧妙だと思うんですよね。

(ここからガッツリネタバレしていきます)

 

この作品の特筆すべき点は、全体的に見た起承転結の「承」となるアンディが入所してからの囚人としての生活の部分に大きく2つの「転」があること。そして、「承」の部分が「転」となる脱獄シーンのためのミスリードになっていることです。

一つ目の「転」、ブルックスが仮出所になってからの一連のストーリー。正直、ブルックリンが自殺してしまう展開からそのままオチに持っていけないこともないと思います。刑務所から出る不安という、現実の囚人の苦悩に沿ったテーマも上手く描写されている。しかし、ここで話しをオトさず、アンディは刑務所の会計業務に深く関わるようになっていく。そして、二つ目の「転」はトミーが真犯人を知っていると発覚する場面です。ここから物語はラストに向かって収束していくことになります。

この「承」の部分でアンディは脱獄の準備を着々と進めていきます。ただ、その描写が「ヒューマンドラマ」としてあまりに自然。結果、登場人物は勿論観ている人も、例のシーンで「あっ」とさせられる。そして、貼った伏線を見事に回収した後の感動のオチ。お腹いっぱいです!

 

ー余談ー

モーガン・フリーマンの良さはやはりあの知的な言い回しとナレーション能力だと思うんですよね!もしこの映画を観て、「モーガン・フリーマンいいな」って思った方は是非『最高の人生の見つけ方』という映画もオススメします!

最高の人生の見つけ方 (字幕版)

最高の人生の見つけ方 (字幕版)

  • 発売日: 2013/11/26
  • メディア: Prime Video
 

 

そら原作者もブチギレますわ!【Shining-シャイニング-】

こんにちは、よいちです!

本日紹介するのはこの映画!

【Shining-シャイニング-】

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こちらはスティーブン・キング氏の原作を鬼才スタンリー・キューブリックが映画化した作品です。確かに、1980年の映画とは思えないほど怖かった(最近の映画が怖くなさすぎる、というのもあるが。。。) ホラー映画の金字塔と呼ばれるのも頷ける!

しかし、どうやらこの映画をきっかけにキング氏とキューブリック氏の間には大きな確執が生まれてしまったようです。詳細は後々話していくので、まずはあらすじ紹介から参りましょう。

 

ーあらすじー

小説家志望のジャックは、冬季の間休業するオーバールック・ホテルの管理人の仕事を引き受ける。ただそのホテルでは、その昔冬季管理人をしていた男が妻と二人の娘を惨殺し一家心中を図ったという歴史があった。しかし、そんなことはお構いなしに妻のウェンディ、息子のダニーと共にホテルを訪れるジャック。

ジャックとウェンディがホテルの説明を受ける中、ホテルのシェフ、ディックはダニーに彼らが持つ不思議な能力「シャイン」についての話をする。それは、他人の心を読んだり、この世の者でないものと意思を通じ合わせたり、特定の場所に起こった出来事の残滓を感じ取ったりできるものであった。

ホテルが冬季休業に入ってから一か月後、三人は悠々自適生活を送っているはずだった。しかし、ホテルの魔力に魅入られたジャックは次第に狂っていき、、、

 

シャイニング (字幕版)

シャイニング (字幕版)

  • 発売日: 2013/11/26
  • メディア: Prime Video
 

 

ー感想ー(※ネタバレ注意!)

「ホラーは一級品、ただ因果関係はあべこべ!」というのがこの映画を観終わった時の第一印象でした。

私事になるのですが、私実はホラー映画にはかなり厳しい目を持ってまして。というのも、幼少期にリングのリメイク版を観たのがトラウマになり、それ以来そんじょそこらのお化け屋敷やホラー映画では微塵も怖くなく、むしろ自分を恐怖に陥れてくれるものを探す始末なのです。(ちなみに今観たらシュール過ぎて全然怖くなかったですw)

ザ・リング(吹替版)

ザ・リング(吹替版)

  • 発売日: 2015/11/15
  • メディア: Prime Video
 

 そんな私でも、この映画には背筋が寒くなる恐怖を感じました。終始流れる不快感を煽るBGM、日常ではまず観ることが能わない人間の表情、整いすぎてむしろ不気味な構図、などなど。

(余談ですが、どうやらキューブリック氏はリテイクを幾度も繰り返したそうな。ジャック役を演じたジャック・ニコルソンの正にリア狂さながらの表情や、ウェンディ役のシェリー・デュヴァルの恐怖におののく演技は、リテイクによるストレスからだったのかもしれませんね。)

この作品を通して、キューブリック氏の並々ならぬこだわりが至るところから感じられました。

だからこそ、何故!?ジャックが狂っていく理由や原因が全く描かれていないのか!序盤で説明した「シャイン」の設定全然活きてないし。なんならディックさん再登場してすぐ亡くなるし。途中には「原作から適当にコピペしました」と言わんばかりの謎カットが挟まれるし。そりゃあ、原作者もブチギレますわ(笑)

しかし、その意味不明さ、因果関係の崩壊がより恐怖を掻き立てているのも事実なよう。人間は理解が及ばないものに最も恐怖するとは良く言ったものです。

最終的に私は、キューブリック氏は原作へのリスペクトを捨て自身の恐怖へのこだわりと演出にステータスを全振りしたんだな、と解釈しました。

 

ー最後にー

色々と納得のいかない部分のある作品ではありましたが、もし今後私がホラー映画のオススメを聞かれたら、この「シャイニング」を間違いなく薦めるでしょう。

例の”Here’s Johnny!!!”のシーンも強烈すぎて忘れられないですしね(笑)

そのあからさまな姿勢、いいね!【Shutter Island(シャッター アイランド)】

こんにちは、よいちです!

突然ですが、みなさんはロボトミー手術というものをご存知ですか?ロボトミー手術とは、かつて精神疾患の画期的な治療法として1949年にはノーベル賞が与えられた人間の前頭葉の一部を切除する手術のことなのですが、その予測不能な副作用などから現代では使われていません。

今回はそんなロボトミー手術が鍵となってくる映画

【Shutter Island(シャッターアイランド)】

を紹介します。

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ーあらすじー

 絶海の孤島にある精神疾患を患った犯罪者を収監し療養を目的とする施設である日、収監されている女性の一人が忽然と姿を消す事件が発生する。警官のテッドは、この事件の捜査のため、別部署から派遣されたチャックと共にこの島、通称シャッターアイランドに乗り込む。捜査を始める二人だが、施設の違和感と、職員達の隠している真実に徐々に気付き始めるのであった。

 

シャッター アイランド (字幕版)

シャッター アイランド (字幕版)

  • 発売日: 2013/11/26
  • メディア: Prime Video
 

 

ー感想ー(※ネタバレ注意!)

この作品は所謂どんでん返し系と言われる映画なのですが、正直どんでん返しの要素自体にはそこまで驚きはありませんでした。どちらかと言うと、どんでん返すまでの過程とその後の結末が個人的に好きでした!

というのも、精神病やトラウマというものが出てくる時点で、主人公の主観を通して観る景色が現実かどうかってかなり怪しいんですよね。だからこの映画においても、割りと序盤から主人公が幻覚を観ていることがわかる。オチもある程度は読めていました。

ただ、この映画はそれを敢えて仄めかしているようにも思えます。そしてオチまでの持っていき方がとても良い!オチがわかっているからこそ、何が現実で何が幻なのかを考える面白さだったり、役者さんの演技に目を向けられる。テッドの相棒を演じつつ、終始彼を案じている医師としてのマーク・ラファロの二重の演技とか凄いですよね。そして、やっぱりデカプリオの狂った演技は最高だ!この映画と同じマーティン・スコセッシ監督のウルフ・オブ・ウォールストリートでのクスリに依存した姿や、インセプションでの過去の記憶に苛まれる演技など、どこかネジが飛んでる役柄を演じるのに彼ほどの適役はいないと思います!

 

ウルフ・オブ・ウォールストリート (字幕版)

ウルフ・オブ・ウォールストリート (字幕版)

  • 発売日: 2014/05/14
  • メディア: Prime Video
 

 

 

インセプション (字幕版)

インセプション (字幕版)

  • 発売日: 2013/11/26
  • メディア: Prime Video
 

 そして、物語の結末。トラウマを乗り越えるものの、良き人間として死のうとロボトミー手術を受ける決断をするテッドの後ろ姿はなんとも言えない哀しさがありました。

単純などんでん返しではない、別のところを楽しめる良さがこの映画にはあったと思います。